面白き こともなき『茶』を 面白く すみなしものは 心なりけり
「龍騎士団茶舗」
そう大きく記載された名刺を相手に渡す時、少し恥ずかしくなります。
お茶屋にしてはふざけた名前というか、いわゆる『中二病』なネーミングだからです。
ですが、その名前に込められた思いは、冒頭の句に込められているものと寸分違いません。
幕末志士、高杉晋作の名言「面白き こともなき世を 面白く すみなしものは 心なりけり」は、彼の辞世の句と言われています。
曰く「面白くない世の中も、心の持ち方によっちゃあ面白くなるぜ!(団長意訳)」
これを少しもじらせていただいて、『世』という言葉を『茶』とさせていただきました。
そうです。私はお茶を、面白くないものだと思っています。
抹茶スイーツを食べたことのある方は多いと思います。ペットボトルのお茶を飲んだことのない方は、もはやいないのではないでしょうか?
ですがこれが『急須でお茶を淹れて』飲んだことのある方、あるいは『抹茶を自ら点てて』飲んだことのある方となると、とても少なくなります。そのような習慣のある方となると、もっとです。
きっと、お茶が『嫌い』だから、ということではないと思います。
そこにあるのは嫌いでも好きでもなく、お茶が単に『面白くない』ということではないでしょうか?
確かに、例えば私はゲームや映画、マンガが好きなのですが、今のようにお茶に関わる前は『優先順位』の中にお茶はありませんでした。
そして現在、お茶に関わっていても私は、お茶は基本的には面白くないものだと思っています。
ですから私は「龍騎士団茶舗」を立ち上げ、冒頭の句と同じ思いを、そこに込めたのです。
のっぴきならない理由で私は、お茶に関わり続けています。
お茶と付き合い続けて気づいたことは、お茶は「面白くはないが、面白くできる」ということでした。
これこそ、冒頭の句に繋がります。
ただ、そのためには当たり前ですが「面白く」する必要があります。
「面白いよ面白いよ」と言い続けるだけではダメです。
過去、お茶が二回だけ「面白く」なったことがありました。
第六天魔王、織田信長が城や領地とお茶・茶器の価値を融合させた際と、昨今のスイーツとお茶が融合した際です。
つまり、大きな価値と融合、ブレンドされた時にお茶は最も「面白く」なります。
私はそれを『サブカルチャー』とのブレンドによって、成し遂げようと思っています。
具体的には、品種や育て方によって姿や能力が変化する茶葉を擬人化した、異世界ファンタジーとメディアミックス的ブレンドを行うことによって。
長くなりましたが、「龍騎士団茶舗」がなぜ中二病な名前なのか先っちょだけでも、わかりかけていただけましたでしょうか?
まあとりあえず、ワケわからんコトしようとしているお茶屋が一軒ここにあるのを、ささやかに宣言いたします。
皆さま何とぞ、よろしくお願い申し上げます。