『面白味』と『お茶の五味』について

五味”という概念が、料理の世界には存在します。

場合によって意味する味は違いますが、基本的には

甘味、旨味、塩味、酸味、苦味

とされています。


また、清酒の世界にも似た概念があり、そこでは

甘味、辛味、渋味、酸味、苦味

が五味とされています。


今しばらく、お付き合いください。

中国料理の一つ、四川料理では

甘味、辛味、塩味、酸味、麻味(山椒の痺れるような味)

が五味とされ、ココに「苦味」と「香味」を加えて“七味”とするコトもあります。


最後に、仏教の世界にも五味があり、複雑なので全てはご紹介いたしませんが

その内の一つに「醍醐味」というものがございます。

醍醐味」は“最高級の風味”のコトで、“物事の真の面白さ”という意味もあります。


さて、もうお分かりになってこられた方もおられるかと存じます。

我々騎士団の言う『面白味』とは、上の言葉で表現しますれば「醍醐味」に近く、あるいは「香味」を含有してもおります。

また、我々はソレを『(お茶、茶葉の)才能』と表現したりもします。


お茶の味は元来、

甘味、旨味、苦味、渋味

の四つに分けられるコトが多かったのです。

我々はココに、「香味」を含有する「醍醐味」という形で

面白味』を提唱いたします。


また、

甘味、旨味、苦味、渋味、そして『面白味』

の五つの味をもって、

お茶の五味』を提唱いたします。


面白味』は、龍騎士団茶舗の商品が持っていなくてはならない基本の味です。

一言で言えばソレは「『あ、美味い』と思わせる味」のコトです。

つまり「魅力」、あるいは「カリスマ」のコトでもあります。


正直に言って、具体的な定義はまだ定まってはいません。

ソレは「味の時系列における変化」に見いだされるコトもあれば「たった一つの強烈な味」に見いだされるコトもありますし、「複雑な香りの複合体」や「香りと味の合わせ技」に感じられるコトもあります。


いずれにせよ「飲んだ人の感情に直接アプローチする味」であるコトは最低条件です。

その意味ではゆくゆくは「お茶を飲んでいる際の環境や、そこへ至るまでの経験」すらも『面白味』の要素となるでしょう。


今現在、個々の商品に添付されております“『面白味』の表現”によって、『面白味』はその輪郭を少しずつ少しずつ、見せ始めています。

ちょうど、ミケランジェロが岩から内在しているキリスト像を掘り出すかの如く。

あるいは、神を否定表現を用いて逆説的に論じようと試みる否定神学の如く。

我々、龍騎士団茶舗は、お茶に対して石工のように取り組もうとしていると共に、神学者のような敬虔な姿勢をも持ち合わせ、向き合おうとしています。

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